セブンス(web版)再読

最近そんなんばっかやな。
セブンス 10 (ヒーロー文庫) - 三嶋 与夢, ともぞ
セブンス 10 (ヒーロー文庫) - 三嶋 与夢, ともぞ

という事で10巻出てから音沙汰ないセブンスのweb版を読み直してみたり。


この作品は「次にくるライトノベル大賞2021」にて総合5位に選ばれた「俺は星間国家の悪徳領主!」や、4月にアニメが放映される「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の作者の第2作になります(多分?)


まずあらすじから。

大国バンセイムの伯爵家長男であるライエル・ウォルトは妹であるセレスに決闘で手も足も出ずに負けた事で放逐される。
その手に家宝である青い宝玉だけを手に冒険者を志すライエル。
そしてそんなライエルに尽き従う元婚約者のノウェム。

とまぁ聞くと良くある追放系で貴族社会で評価されないだけで実はすごい人物だったんだ!みたいなものを思い浮かべるかもしれませんがさにあらず。

主人公のライエルくん。
序盤はかなりのポンコツです。
世間を知らず、考えが甘く、他者への気遣いも出来ないボンボンです。

そして家宝の青い宝玉にはウォルト家代々のご先祖様の記憶と人格が宿っており、ライエルの魔力を消費する事でライエルと会話が可能なんですが、この力を用いてダメダメなライエルにダメ出しを繰り返すせいで魔力の消費が激しくしょっちゅう倒れる似非虚弱児でもあるのです。

そんなライエルを甲斐甲斐しくフォローするノウェムと、そんなノウェムに何ら配慮できないライエルにさらにダメ出しを繰り返すご先祖様。
まさに負のスパイラルですね。

ただ実はライエルがダメダメなのはとある理由があって、その理由をご先祖様が知る事で少しだけライエルに対する態度が軟化するご先祖様達。
そんなご先祖様たちの教育により徐々に徐々に成長していくライエルくん。

最初は双方嫌っていたご先祖様とライエルの間に生まれてくる絆。
しかし青い宝玉に宿るご先祖様達の記憶はあくまでかりそめのモノ。
とある目的を果たすことで一人、また一人と消えていくご先祖様達との別れにはしんみりします。


冒険者としてそれなりに成長し、パーティも組んだライエルが立ち寄った王都で再開する妹セレス。

彼女は他国の王女と結婚が決まっていたはずのバンセイムの王子の妃になっていた。
ライエルを憎み、両親だけを愛し、国民を熱狂させ、バンセイムという国を狂わせていくセレス。
そしてそんな彼女の真実を知るライエル。

それは冒険者として生きていくつもりだったライエルの人生に果たすべき目的が生まれた日だった。

セレスを倒す。
大国バンセイムを手足のように操り残虐の限りを尽くすセレスを倒す。

その為には一介の冒険者ではいられない。
冒険者として名を上げる事から始め、周辺国の問題に介入し、戦争で功を上げ劣勢の国を勝利に導き、各国へと確かな影響力を手に入れ、バンセイム包囲網を作り、戦争を仕掛ける。
そうやってバンセイムという国を封じたうえで自らのパーティでセレスを打倒する。

バンセイムという大国を潰すことで発生する戦乱を抑えるために、戦後の事まで見据えた計画を練っていく。

これは放逐されたボンボンが大陸を統一する帝国を作り上げる物語。


とまぁ聞くと大層なヒロイックに聞こえるかもしれませんが、影響力獲得の為に女を惚れさせる、ハーレムが出来る、女同士のバチバチの鞘当て、ハーレム内での序列争い、派閥抗争。

そしてレベルアップという仕様。
誰しもが魔物を倒すことでレベルアップをするという世界。
レベルアップする事で全体的に能力が上がり、高揚感と万能感に包まれる。
それにより生まれるのは圧倒的な黒歴史。
爆誕するは爆笑必死のらいえるさん。



そんな感じでヒロイックサーガ的な要素と成長譚とギスギス系ハーレムとコメディにしんみり要素までぶち込んで煮込んだ贅沢な逸品がこのセブンスという作品になります。

まぁちょっとだけ文章に粗がありますけどね。


書籍化に際してはヒロインを完全な無から一人追加で構築したことでほぼ完全書下ろしになり、そのせいか刊行ペースが遅く、ついには1年以上音沙汰なしという。

あとはこの作者のネタとしてヒドイン(酷いヒロイン)というのが読者の感想でプッシュされ過ぎたせいかエスカレートして純粋に魅力がなくなり始めているというか、さじ加減が分からなくなっているのかweb版に比べて書籍版は個人的には魅力が薄くなってますかね。
その辺りもちょっと残念です。

とりあえずweb版は完結してるし名作だと思うので是非読んでいただきたい作品です。


4月からの他作品のアニメの放映に合わせて三嶋与夢祭り的な感じでセブンスの新刊も出ねぇかなぁ。
打ち切るには中途半端な位置だから出版社的にはここで打ち切るって選択肢は薄い気がするんだけどなぁ。

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