俺と彼女の絶対領域

一目惚れしたあの人を射止めるために、不可避の予言を覆せ!


オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> (HJ文庫)
ホビージャパン
2011-06-30
鷹山 誠一

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> (HJ文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



高校入学三日目。
初めてあの人を見たその瞬間に俺は恋に落ちた。

「好きです。付き合ってください!」
思わず口走ってしまった告白に対する彼女の答えは
「わたしに、近づかないで」
「わたしのこと、先輩にでも聞いてみることね。」

従姉のサヤ姉に聞き、返ってきた答えは
「彼女は絶対不可避の不吉を告げる魔女よ。あの女には関わっちゃ駄目。」
だった。

わざわざ告げて回るって事は助けようとしてるって事だろ!
いい人じゃないか!
ということで再度彼女に突撃。

得た返答は、
「未来を変えられたら、私のすべてをあ・げ・る」

よっしゃー!
何が何でも変えてやるぜ!



大筋、プロローグはこんな感じです。

一目惚れってのは正直自分には理解できない概念なのでそのきっかけ自体は好きになれないんですけど、ヒロインの観田明日香先輩自身はとても可愛らしい方だと思います。なんていうか変な個性とかで過剰に装飾されていない普通に可愛い人で、彼女自身の境遇を知るととても強い人だな、と。その孤独のつらさは理解できますので全く気にせず近づいてきてくれる主人公に惹かれるのも分かります。・・・まぁ笑いのツボは共有できませんけどね。


もう一人のヒロインであるサヤ姉の方も
「あんたと彼女じゃあんたの方が大事だから」
ってはっきりと言えちゃう女の子なので嫌いじゃありません。まぁ「10人中10人が振り返る美貌」とかはさすがに言い過ぎだと思うし、暴力も好きになれませんけど。でも素敵だとは思います。



主人公に関しては先輩と被りますが一目惚れっていうきっかけには理解を示すことが出来ませんが、つまらない噂に惑わされずに、近寄っていけるのは好感が持てます。

ただ、「ラプラスの使い魔」と揶揄される割に学校生活においてなんの不都合も生じていないのはどうかと思うんですよね。ただでさえ、学校で崇められてさえいるサヤ姉の格別の好意を受けるという、妬み嫉みの対象になる下地があるというのに。・・・まぁだからこそ「ラプラス」こと明日香先輩と同じく「有象無象からは遠巻きに見られる」という一種の不緩衝地帯と化しているのかもしれませんが。

で、まぁこの主人公に関してもう一つ、気に入らない点が。それがサヤ姉への態度。正確には彼女の好意に気づかない鈍感ぶり。サヤ姉自体がはっきりと好意を口にしていなかった以上、ある程度はサヤ姉の自業自得だとも思うんですよ。個人的にその思いを表明してもいない人間に縛り付ける権利などありませんし、ましてや嫉妬からの暴力など論外だと考えますので。

それでも全く好意に気づかないというのは、そういう対象外だからというにしてもちょっとどうかと。個人的には度が過ぎる鈍感というのは物凄い不快です。なんか他人を全く見ていないように、もしくは見えていないように見えるんですよね。それはつまり自分の感情だけで動いているって事で、結果オーライだろうがなんだろうがただの自己中、独りよがりのオナニー野郎です。
サヤ姉に対してのこの仕打ちだと、明日香先輩に対して見せた行動がただ初恋ゆえの盲目的な好意に成り下がるようにも見えてしまうのです。その辺が少しアンバランスに感じました。もう少しサヤ姉の好意を分かりにくくすると良かったかもしれません。そうすれば不快な暴力描写も減ったでしょうし。


あとは・・・そうですね、ラストの予知夢のオチ。
正直、あれは予知夢を見ている時点でオチが読めるレベルでした。さすがに安易過ぎるかと。まぁそれ自体は個人的にはスルーできるんですけど、天才に最も重要なのは「閃き」超天才のサヤ姉が匙を投げて、主人公が導き出すというところにちょっと違和感。おい超天才、お前の閃きはその程度なのかという。

そうでなくとも装飾過多な比喩「天才」という言葉が乱舞しすぎな印象を受けました。サヤ姉の容姿&能力然り、剛田先輩然り、やられ役の玉田然り、どんだけ才能が乱舞してんだよ、というね。その辺もうちょっと抑え目で良いんじゃないかと思いましたね。

そもそもラノベって・・・まぁラノベに限りませんが、やたら神がかり的な美少女とかアイドルも裸足で逃げ出す美貌とか大仰な物言いしますけど、どう表現しようがイラストはどのみち可愛いんだからそんな装飾過多な修辞はいらないと思うんですけどね。それこそ、それがシナリオの内容そのものに関わってこない限りは。なんでなんですかね?


2巻も既に発売は決定しているようですが、最後にしっかりと好意を表明したサヤ姉への主人公の対応がこのシリーズの評価の最大の分かれ目ですかね。これでなお気づかないとか鈍感振りを発揮するようならさすがにちょっと読み続けることは出来なさそうです。
あとはエピローグで語られたキスのお相手。「ヒーロー」なんて呼ばれていた以上、どこかに彼女のように救われた人がいる可能性はあるんですけど、やはり鈍感でハーレムを築くようなら十羽一絡げ、ですかね。
さらには先輩の予知夢の正体とか。正直あまり興味が無いのであくまでラブコメのスパイスとしての役割を期待したいものです。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック